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国内プロ野球 コラム ひろかずの球心を突く

第16回 クライマックスシリーズがハマったセ・リーグ しかし…

 強いです、阪神タイガース! 破竹の連勝は10で止まってしまいましたが、まさに猛虎襲来という強さで、セ・リーグが俄然面白くなりました。特に、10連勝を決めた東京ドームの対巨人3連戦は、これぞ伝統の一戦という好ゲームの連続で、まさに手に汗握る熱戦でした。一体どこがセ・リーグ優勝を勝ち取り、クライマックスシリーズを有利に進めるのか? 今回はセ3強の現状を比較、分析してみたいと思います。

 まずは、何と言っても阪神でしょう。一次は首位・巨人に12.5ゲーム差をつけられていた阪神でしたが、遂に巨人を抜き去って首位の座に立ちました。普通は12・5ゲームもあれば諦めてしまうところですが、どうして阪神は巨人を追い越すことができたのか? 一番大きな理由は、私は矢野の復調だと考えています。

 前半戦で9連敗という時期がありましたが、この頃は矢野の調子が上がらず、それ以降は若手の狩野やベテランの野口を起用するなど四苦八苦していました。しかし、6月の終わり頃から矢野がキッチリ正捕手に座り、それと同時に阪神の巻き返しが始まったのです。

 それに、阪神は一つになりやすいチームカラーです。あの甲子園の大応援団もそうですし、チーム一丸で盛り上がる力があります。一度火がつけば、阪神は一気に勝ちあがっていくチームなんです。そして、それに拍車をかけたのが岡田監督の采配でしょう。これは前回もお話ししましたが、とにかく藤川球児に繋ぐんだという、勝利への執念です。この執念を選手に見せ付けることで、選手たちをまとめ上げています。

 JFKという絶対的なリリーフ陣による、「勝ち方」、「戦い方」を持っている。それを駆使して、選手たちに戦う姿勢を見せる。それが岡田監督の手腕です。久保田の登板数も、着々と日本記録の80試合に近づいてきました。ウィリアムスが少し登板を回避していますけど、それでもビクともしません。それに、下柳が乱調だったりすると、これまではとりあえず5回、という感じで引っ張っていたのですが、最近はスパッと代えるようになってきました。野手が戦意を失う前に、実績ある選手でも代えるという、潔さがあります。選手の士気を保つことに関して、岡田監督は一流です。安藤が帰ってきたというニュースもありますし、本当に阪神は好材料が多いです。

 この絶好調の阪神に対して、中日は我慢してついて行っている感じです。やはり、福留がいないというのはあまりにも大きい。それでも脱落しないで踏ん張っているのは、落合監督の「睨み」があるからでしょう。この監督の前では、いい加減なことはできないぞと思わせる、星野監督にも通じる「睨み」です。この「睨み」があるから、中日の試合は締まっているのです。

 一方、巨人のもたつきは気になります。少し選手任せと言うか、流れができていない、監督が流れを作れていない、という印象を受けます。原監督は、代打起用については非常にうまいです。矢野や清水の活躍は言うに及ばず、高校生ルーキーの坂本勇人が延長戦で決勝タイムリーを放ったのも記憶に新しいところです。しかし、投手起用が今ひとつ……。

 ピッチャーが苦しいのはどこも一緒ですが、それにしてもリリーフ陣が苦しい。豊田と上原を擁すると言えば豪華に見えますけど、豊田は連投になると一気に疲れが出ますし、上原もこれまでクローザーをこなしてきたとは言え、不慣れなポジションであることには変わりありません。

 今の巨人は、リリーフが打たれる流れができてしまっています。打たれているゲームの中で、最後だけクローザーに締めてもらおうと思っても、なかなかうまくは行きません。そういうゲームで、上原に1点差で逃げ切ってくれというのも酷な話です。2点、3点のリードがあれば上原も楽でしょうけれど、やはり上原にはまだクローザーとしての経験が十分でないですし、1点差では厳しい。本拠地の東京ドームはホームランがでやすいというのもあります。

 となると、打線が助けてやらなければいけません。でも、原監督はバントで1点を取りに行っている。1点を勝ち越すのも大事ですけど、1点だけで守れるJFKのような、万全のリリーフ陣ではないんです。同じバントにしても、3点のリードを4点にする、4点のリードを5点にするというようなバントなら全く問題はないでしょう。でも、先制点だとか、勝ち越し点のためのバントはチームの特性に合っていません。巨人がバントをするならば、それは生きたバント、4点目、5点目のリードを取りにいくバントでないと。二岡にスクイズをさせたり、高橋由や阿部に送りバントをさせる場面がよく見られますが、もっと攻めの姿勢を見せてもいいのでは……?

 しかしこの3チーム、いずれもクライマックスシリーズに滑り込めばよし、なんていう気持ちは微塵もありません。3チームが3チーム、全てトップで通過してやるという気持ちを持っているから面白いんです。しかし、私が見るところ、このもつれ方は最後まで続くでしょう。なぜなら、阪神のスパートが少し早すぎたからです。まだ1ヵ月弱を残してピークを持ってきてしまったのが気になります。

 17日からの甲子園での3連戦、阪神対巨人が最後の山場になります。巨人が東京ドームでの借りを返すのか、阪神が絶対的優位な本拠地で返り討ちにするのか。そして、この山場に中日がどう絡んでくるのか。いずれにしても、泥臭くてもいいから勝つ、という意識を持ったチームが勝つでしょう。岡田監督のチームのまとめ、落合監督の睨み、そして原監督のスター軍団を操る厳しさ。残り少ないゲームの中で、3人の監督がどう采配するか、どういうゲームを見せてくるか、注目したいですね。とにかくこの混戦、クライマックスシリーズ最終戦の、最後の最後まで目が離せません!

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プロ野球 試合予定・速報

セリーグ公式戦 10月6日

ヤクルト 3-1 阪 神
試合終了
横 浜 2-1 広 島
試合終了

パリーグ公式戦 10月6日

楽 天 1-4 ソフトバンク
試合終了

プロ野球 順位表

セ・リーグ 順位表 10月6日

  勝率
巨 人 140 81 56 3 .591 -
阪 神 140 81 56 3 .591 -
中 日 142 71 66 5 .518 10
広 島 144 69 70 5 .496 13
ヤクルト 139 63 72 4 .467 17
横 浜 139 45 92 2 .328 36

パ・リーグ 順位表 10月6日

  勝率
西 武 144 76 64 4 .543 -
オリックス 144 75 68 1 .524 2.5
日本ハム 144 73 69 2 .514 4
ロッテ 144 73 70 1 .510 4.5
ソフトバンク 143 64 76 3 .457 12
楽 天 143 64 76 3 .457 12

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