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国内プロ野球 コラム 野球の神髄

第1回 加藤さんの思い出と今年のプロ野球

 皆さん初めまして、野球解説者の高木豊です。故・加藤博一氏が担当していたこのコラムを、私がやらせていただくことになりましたので、宜しくお願いします。

 実は明日、故・加藤博一氏の追悼試合に呼ばれている。いろいろ、考えることも多い。今年、私は50歳になる。加藤さんが亡くなってから、その付き合いを考えてみると、25年になる。私の人生の半分を一緒に過ごしたと思えば、どうしても思い出は深くなる。出会いは加藤さんが阪神から大洋にトレードをされてきた時で、私への一声が「豊!」であった。当時、高木という姓がダブっていたので、私はニックネームで呼ばれていた。「ポチ」である。しかし、加藤さんは私のことを、チームの中心選手になっていくのだからとニックネームでは呼ばず、名前で呼んでくれた。それから、私は、「豊」と呼ばれるようになった。

 初めて3割を打ったときの苦しみ、盗塁王を獲る時の難しさ、事あるごとに適切なアドバイスを送ってくれたのが加藤さんである。その想いを胸に、このコラムの仕事をさせていただこうと思う。

 明日に迫った追悼試合だが、横浜-阪神という、加藤さんが籍を置いていた二つのチームの対戦で行われる。どんな気持ちで加藤さんは天国から見ているのだろうか。恐らく、仕切り屋だったために、その仕切りが悪かったら怒られそうな気もするが、自分のためにこういう試合を行ってくれる両球団に対しては感謝しているだろう。昨年、スーパーカートリオで試合前のセレモニーに参加した時も、大変喜んでおられた。それがつい先日のように思い出される。

 偶然なのか巡り合わせなのか、金本が2000本安打、新井が1000本安打にあと1本に迫っている。金本・新井の実力であれば、もうとっくに記録を達成していてもおかしくないのだが、この追悼試合に合わせてきたような、そんな気がしてならない。チームの勝敗は加藤さんの想いが強い方に転がりそうな、そういう風にも思う。

 さて、今年のプロ野球についてだが、解説者が予想した通りには行っていない。パ・リーグでは西武の躍進、セ・リーグではヤクルトの善戦、それに反して巨人の苦戦やソフトバンクのまとまりの悪さが目に付く。しかし、解説者の予想通りに事が運ぶほど、面白くないものもないだろう。色々な驚きがあり、ファンの方々も楽しんでおられるかと思う。

 西武とヤクルトは、リーグの台風の目になることは間違いない。この両チームに言えることは、若さがあるということだ。そして、明るい。このことが、チームの勢いを呼ぶ。勝負への割り切りがあるため、潔さも感じられる。そのため、一つの負けに対して尾を引くことなく、切り替えがうまいチームと言う風にも見える。若いだけあって、崩れることもあるだろうが、来年・再来年を考えると、今からその成長が非常に楽しみである。若手が伸びていく姿というのは非常に頼もしく、見ていて楽しいものだと改めて感じた。

 西武で言えば、今まで若手として扱われていた中島がチームリーダーという立場を確立し、成績でもチームを引っ張っていくことができれば、このチームは必ず強くなる。ヤクルトでは、昨年に続きセカンドの田中浩康が好調だ。私の経験から言うと、リーダー的存在は内野手に求めたほうがいいと思う。ヤクルトには宮本慎也という素晴らしいリーダーがいる。こういういい見本がいる内に、全てを吸収するという努力も必要だ。この二人以外にも、非常に楽しみな選手が多いことは言うまでも無いが、特にこの二人を挙げさせてもらった。

 今年のプロ野球は新旧交代が他のチームでも行われているように思う。巨人では坂本、亀井といった辺りが頑張っている。中日でも吉見というピッチャーがローテーションの一角に入ってきた。阪神も2年目の岩田が頑張っている。広島では天谷、また黒田が抜けたということで、大竹が何か期するところがあるようなピッチングを見せようとしている。

 パ・リーグでは、とにかく若手のピッチャーの投げ合いが楽しくて仕方がない。ダルビッシュ、涌井、成瀬、岩隈、田中、永井、金子、近藤、大隣、大場など、挙げたらキリがないほど錚々たるメンバーがいる。

 先日のダルビッシュと岩隈の投げ合いは壮絶であった。私も球場に足を運んで見ていたが、気がついたら両チームの応援が耳に入ってこないほど、引き込まれていた。それほどに集中して見てしまう試合というのも、そんなに記憶にない。5回まで両投手がノーヒッターという意地の張り合いも感じられた。結果的に1-0で日本ハムが勝ったが、勝敗などどうでもいいほどだった。こんなに清々しい気持ちで球場を後にしたのも久しぶりであった。こういった締まったゲームが、今シーズンのパ・リーグでは多く見られそうだ。

 こういう素晴らしい試合の興奮や感動、また選手の裏話なども、皆さんにお伝えしていくことができればと思う。第1回目だけに少し簡単に触れただけだったが、次回からはより深く、掘り下げてお伝えしたいと思う。これから宜しくお願いします。

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プロ野球 試合予定・速報

セリーグ公式戦 9月30日

ヤクルト 8-0 広 島
試合終了
横 浜 0-3 巨 人
試合終了
阪 神 - 中 日
試合中止

パリーグ公式戦 9月30日

楽 天 15-5 ソフトバンク
試合終了

プロ野球 順位表

セ・リーグ 順位表 9月30日

  勝率
阪 神 136 80 54 2 .597 M7
巨 人 138 80 55 3 .593 0.5
中 日 137 67 65 5 .508 12
広 島 139 67 67 5 .500 13
ヤクルト 133 60 70 3 .462 18
横 浜 133 43 88 2 .328 35.5

パ・リーグ 順位表 9月30日

  勝率
西 武 142 75 63 4 .543 -
オリックス 143 74 68 1 .521 3
日本ハム 143 72 69 2 .511 4.5
ロッテ 141 71 69 1 .507 5
楽 天 137 62 72 3 .463 11
ソフトバンク 140 63 74 3 .460 11.5

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