7月15日、今年限りでその歴史に幕を閉じるヤンキー・スタジアムで開催される、今年のオールスターゲーム。6日にはこの「真夏の祭典」に出場する選手たちが発表されたが、両リーグの人気チーム、王者ボストン・レッドソックスと好調シカゴ・カブスから数多くの選手たち名を連ねた。
福留がメジャー1年目で快挙! 賛否両論の選出メンバー
福留孝介外野手(カブス)がファン投票で選ばれた理由は、全米でも屈指の人気を誇るチームで、インパクトある活躍をしたことに尽きる。6月の月間打率は.264と、この1か月は調子を落としていたことからすれば、ファン投票で選ばれたのは正に幸運。多くのアナリストは、「本塁打と打点で大きく上回るパット・バール(フィラデルフィア・フィリーズ)やカルロス・リー(ヒューストン・アストロズ)が選ばれないのは疑問」という声を上げていた。(※両選手は「32番目の男」の候補に回っている)
ナ・リーグでは、福留と同じルーキーのチームメイト、ジョバニー・ソト捕手ら、初出場の若手が多い。最終的に外野部門トップに躍り出たライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブリュワーズ)や、エディンソン・ボルケス投手(シンシナティ・レッズ)らは、マーケットの小さい都市を本拠地にしているが、インパクトのある活躍という点では福留に劣らない。2人ともカブスと同じナ・リーグ中地区のプレーヤーでもあり、日本のファンには注目してもらいたい存在である。
ア・リーグに目を向ければ、レッドソックス、そしてニューヨーク・ヤンキースから常連が続々と選出。ただし、アレックス・ロドリゲス三塁手が前日のホームラン競争を辞退する方針、故障中のデビッド・オティースに至ってはすでに欠場が確定と、楽しみが少しばかり減ってしまう、残念なことも。それでも、地元ヤンキースのロドリゲス、あるいはデレック・ジーター遊撃手がMVPを獲得するようなことになれば、スタジアムの長い歴史に新たな1ページを加えるだけでなく、今後語り継がれるオールスターになりうる。
ただし、この東地区の人気2チームからが多くのプレーヤーが選ばれた影響もあり、ここまでメジャー最高勝率を誇っているタンパベイ・レイズから選出されたのは2人のみ。快進撃の大きな力となっているルーキー、エバン・ロンゴリア三塁手は選から漏れ、「32番目の男」を決めるファイナルボートに回った。
その一方で、西地区3位のテキサス・レンジャーズから4人が選ばれたことは、レイズファンだけでなく、多くのファンが疑問符をつけても仕方ない。また、打率2割前後と不振のジェイソン・バリテック捕手(レッドソックス)が選ばれ、3割近い打率を残しているA.J.ピアジンスキー捕手(シカゴ・ホワイトソックス)が落選したことも、メディアやファンの間で論議となっている。
10連勝中のア・リーグ優勢? 勝敗のカギは投手陣
これまでの実績や、インターリーグの結果(ア・リーグ球団の149勝102敗)からすれば、今年もア・リーグ優勢ということは否定できない。勝負を決めるカギを挙げるならば、ナ・リーグの投手陣がア・リーグ打線をいかに抑えるかにかかっている。ボルケス、ティム・リンスカム(サンフランシスコ・ジャイアンツ)の若手本格派が、ロドリゲスやマニー・ラミレス(レッドソックス)、ジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ)両外野手といった長距離砲と対戦するシーンは、絶対に目が離せない。ナ・リーグは若手2人以外にも、カルロス・ザンブラーノ(カブス)やベン・シーツ(ブリュワーズ)という本格派がいる。
投手戦に持ち込むことができれば、ナ・リーグにも十分チャンスがある。ファン投票で選ばれた先発メンバーには、ランス・バークマン一塁手(アストロズ)以外、純粋なホームラン打者がいないものの、チェイス・アトリー二塁手(フィリーズ)、ヘインリー・ラミレス遊撃手(マーリンズ)ら、今季はパワー面でも例年以上の結果を残している巧打者がズラリ。控えにも、指名打者での先発も予想されるアルバート・プーホルス一塁手(セントルイス・カージナルス)、アラミス・ラミレス三塁手(カブス)、マット・ホリデイ外野手(コロラド・ロッキーズ)ら長距離打者がおり、ここ数年と比較すれば、打線は明らかにレベルアップしている。
その一方で、まだまだア・リーグ有利と言えるもう1つの理由が、リリーフ投手陣の顔ぶれ。その代表格が、抑えとして共にワールドシリーズ制覇を経験し、信頼度抜群のマリアーノ・リベラ(ヤンキース)とジョナサン・パペルボン(レッドソックス)だ。さらに、シーズン前半で30セーブ以上を荒稼ぎしているフランシスコ・ロドリゲス(ロサンゼルス・エンゼルス)、5年連続35セーブ以上が確実なジョー・ネイサン(ミネソタ・ツインズ)も控えており、ナ・リーグ打線としては、何としてでも試合中盤までにリードを奪うことが勝利への条件と言える。
日本人選手では、イチロー外野手(シアトル・マリナーズ)と福留が、いずれもファン投票で選ばれたこともあり、最低でも2打席ずつは見ることができるだろう。イチローは昨シーズン、オールスター史上初のランニング本塁打を記録。2年連続のMVPを獲得するには、昨年以上にインパクトのある活躍がない限り難しいだろう。福留は初出場ということもあり、2安打2打点という数字を残せれば、MVP候補になるかもしれない。
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