日本人メジャーリーガーの活躍を応援し、メジャーをさらに楽しむためのコラム「日本人メジャーリーガー応援宣言!」。第2回は、クリーブランド・インディアンスへの入団が決まった小林雅英投手と、テキサス・レンジャーズへ加入する福盛和男投手について取り上げる。インディアンスとレンジャーズは、いったいどんなチームなのか。またどんな選手が同僚となるのか、開幕前にみっちり「予習」することにしよう。
メジャーリーグについて、学術的な研究活動を行っている「ベースボール・カレッジ」では、2008年度の授業が行われている。新人選手についての分析を行うルーキー学部のゼミでは、前回行われた福留孝介選手(シカゴ・カブス)のときと同様、日本から来るルーキーたちの話題で持ちきりのようだが…。
日本人リリーフの「真打」登場! リーグ制覇の鍵を握る小林雅
教授「諸君、今週も研究報告を続けよう。まずは、インディアンスへの入団が決まったコバヤシについてだ。ハンソン君、彼のプロフィールを説明したまえ」
ハンソン助教授「『コバマサ』こと小林は、1974年生まれの33歳。松井秀喜外野手(ヤンキース)らと同い年のベテランです。山梨県大月市の出身ですが、ここは日本人初のメジャーリーガー、マッシーこと村上雅則氏の出身地でもあります。ボビー・バレンタインが率いる千葉ロッテマリーンズでプレーし、クローザーを務めておりました。今オフに、インディアンスと2年625万ドル(約6億6000万円)の契約を結んでいます」
教授「クローザーか。日本人のリリーバーは、近年特に評価が高いからな」
ハンソン助教授「昨年もオカジ(岡島秀樹投手)が、レッドソックスのワールドシリーズ優勝に貢献しましたからね。海を渡ってくる彼らへの期待は、かつてないほど大きいといえるでしょう」
佐々木主浩(元シアトル・マリナーズ)や長谷川滋利(元アナハイム・エンゼルスほか)をはじめとする救援投手は、日本人メジャーリーガーの中でも、実績を残した選手が多いポジションだ。現在でも岡島をはじめ、ロサンゼルス・ドジャースの守護神を務める斎藤隆投手が活躍。優秀な日本人リリーフの獲得は、メジャー各球団にとって最重要課題のひとつになりつつある。そんな中、ロッテで通算227セーブをマークした小林のインディアンス入団は、まさに「真打登場」と言うことになった。
教授「エリカ、インディアンスというチームは日本でも有名なのかね」
エリカ「はい。チャーリー・シーン主演の名作野球映画『メジャーリーグ』でも、シーン演じるリリーフ投手が所属していたのはインディアンスでしたからね。あの映画が公開された当時は、メジャー屈指の弱小球団だったインディアンスですが、今ではリーグ制覇まであと一歩のところまで迫る勢いとなっています」
インディアンスは2007年シーズンにおいて、強豪ひしめくア・リーグ中地区を制し、プレーオフへ出場。ディビジョン・シリーズではヤンキースを撃破し、リーグ・チャンピオンシップへと進出した。ここでもレッドソックスを3勝1敗と追い詰め、10年ぶりのリーグ制覇まであと一歩と迫る。だが、松坂大輔投手らの奮投にもあって3連敗を喫し、結局は3勝4敗と敗退、最後の最後で無念の涙をのんだ。2008年シーズンは、1997年以来となるワールドシリーズ出場への再チャレンジをかけた1年となる。
教授「コバヤシの役目は、どういうものになりそうかね」
マイケル(大学院生)「インディアンスには昨年、45セーブを挙げたジョー・ボロウスキー投手が在籍しております。経験豊富なコバヤシといえども、メジャー1年目から守護神の地位を獲得することは至難の業です。まずはセットアップの役目を任されると分析しております」
トミー(ゼミの学生)「インディアンスは、中継ぎ陣にもラファエル・ベタンコート投手やラファエル・ペレス投手などの優秀な人材が豊富です。シーズン序盤からしっかりと結果を残していかないと、厳しい生存競争を勝ち抜くことはできないでしょう」
メジャー屈指のブルペンを擁する球団に入団する以上、ハイレベルな争いが待ち受けているのは小林も承知の上だ。しかし、岡島や斎藤同様の働きを見せることができれば、インディアンスにとっては2年越しとなる「打倒レッドソックス」が見えてくる。ロッテでは「YFK」というリリーフトリオの一員だった小林だったが、今年はインディアンスで鉄ぺきの救援陣を形成し、クリーブランドに1948年以来となるワールドシリーズの優勝トロフィーをもたらせたい。その為には、シーズン序盤から安定したピッチングを見せて、首脳陣にアピールすることが大切になるだろう。
レンジャーズを「どげんかせんといかん」! 低迷脱出へ、福盛への期待大
教授「次はレンジャーズへ入るフクモリだが、彼もリリーフピッチャーかね」
ハンソン助教授「はい教授。フクモリは、東北楽天ゴールデンイーグルスでクローザーを務めておりました。出身は宮崎県都城市ですが、この宮崎は昨年、コメディアン出身の東国原英夫というガバナー(県知事)が当選して一躍有名になったところです。東国原知事は、宮崎を「どげんかせんといかん」と発言、この言葉が日本でブームになりました」
教授「なんとかしないといけない、と言う意味かね。それは君、今のレンジャーズにピッタリの言葉だな」
確かに、レンジャーズを取り巻く状況は厳しい。2007年には75勝87敗と負け越し、ア・リーグ西地区最下位に転落。チームの主砲だったマーク・ティシェーラ一塁手(現アトランタ・ブレーブス)やクローザーのエリック・ガーニエ投手(現ミルウォーキー・ブリュワーズ)らをシーズン中に手放し、大塚晶則投手とも契約を更新しなかった。チームの勝ち頭は10勝のケビン・ミルウッド投手で、2ケタ勝利をマークしたのはこのミルウッド一人だけ。1961年の球団創設以来リーグ優勝はなく、プレーオフ出場からも遠ざかっており、今年も苦戦を免れない状況だ。そんな状態のレンジャーズへ加入する福盛には、1年目から大車輪の活躍を期待したいところなのだが、その契約形態は少し変わっている。
マイケル「彼は球団と変則的な契約を結びました。2年契約で300万ドル(3億3000万円)という契約内容が発表されておりましたが、確定しているのは初年度だけ。ひじの出術を受けたばかりと言うこともあり、もしDL(故障者リスト)入りが30日以上と言うことになれば、翌年の契約は更新されないことになります。つまり、2008年シーズンからベストを尽くす必要があるということです」
教授「初めてアメリカでプレーするだけでも不安でいっぱいだろうに、それはプレッシャーになるだろうな」
ハンソン助教授「ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市とは異なり、日本食を食べられる機会も限られるでしょうからね。体調維持にも気を配りながらメジャーの野球に適応し、良いパフォーマンスを見せるのは大変だと思います」
ガニエや大塚が抜けた今季は、昨年12セーブをマークした、C.J.ウィルソン投手がクローザーの第一候補となっている。またミネソタ・ツインズやマリナーズでクローザーを務めていた、ベテランのエディ・ガダード投手を獲得した。ほかにもホアキン・ベノワ投手らが救援陣を形成することになるが、最下位脱出、そしてプレーオフ出場を達成するためには、福盛の奮闘が待たれるところだ。
トミー「いやぁ、これだけ多くの日本人メジャーリーガーが誕生すると、シーズン開幕が楽しみですね」
ハンソン助教授「トミー、試合を見るのも良いが、学生の本分は勉強だよ!しっかり試験をパスしないと、シーズン中も補習が待っているからそのつもりでいたまえ」
「日本人メジャーリーガー応援宣言!」次回もどうぞお楽しみに。
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早期結果求ム! 「ルーキー」の小林と福盛
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