日本人メジャーリーガーの活躍を応援し、メジャーをさらに楽しむためのコラム「日本人メジャーリーガー応援宣言!」。第5回は、ボストン・レッドソックスの松坂大輔、岡島秀樹の両投手について取り上げる。昨年は「ルーキー」ながらチームのワールドシリーズ制覇に貢献した2人に2年目のジンクスは待ち受けているのであろうか。
真価問われるメジャー2年目
メジャーリーグについて、学術的な研究活動を行っている「ベースボール・カレッジ」では、ただいま中間試験の真っ只中。学生たちは、厳しい採点で知られる同校の試験に緊張の面持ちで臨んでいるようだ。
ハンソン助教授 「さぁ、本日は『レッドソックスの2008年シーズン研究』の試験だ。難しい問題もあるだろうが、授業の内容をしっかり思い出して解答すれば大丈夫だよ。皆それぞれのベストを尽くすように」
ジャマール(学生)「エリカ、試験対策はばっちりなんだろ? 僕は結局、全部復習しきれなかったよ。困ったなぁ」
エリカ(学生)「いまさらそんなこと言っても仕方ないでしょ。自分の知識を生かして解答を書けばいいのよ」
トミー(学生)「僕は今回、マツザカにヤマを張ってきたんだ。出題されるといいな...」
マイケル(大学院生、テストの試験官)「諸君、私語は慎みなさい。さぁ問題用紙を開いて、テストはじめ!」
トミー 「えーと、第1問は、と...なになに『マツザカ、オカジマ両投手の2007年シーズンについて簡潔に述べよ』か。よし、いきなりヤマが当たったぞ」
日本のナンバーワンピッチャーとして、全米の注目を浴びながらメジャーデビューを果たした昨年の松坂。レギュラーシーズンの成績は15勝12敗、防御率4.40と、1年目にしては合格点の与えられる内容ではあった。しかし、日本とは異なる慣れない環境に苦しみ続け、満足のいくピッチングができたとは言えなかった。ワールドシリーズにも先発し、チームを「世界一」に導いたわけだから、批判されるような筋合いはまったくないが、一番もどかしい思いを感じていたのは、ほかでもない松坂自身であろう。2年目の今季は、昨シーズンよりも多くの白星をチームにもたらすことはもちろんのこと、より安定感あるピッチングを見せることが不可欠となってくる。
一方の岡島は、松坂とは違いまったく無名の存在だったが、安定した投球でセットアッパーとしてフル回転。守護神ジョナサン・パぺルボン投手とのコンビで「勝利の方程式」を確立した。岡島らリリーフ陣の安定感は、チームにとっては勝負どころで強みとなり、ニューヨーク・ヤンキースとの激しいペナントレースを勝ち抜く原動力となったのである。そして岡島は、松坂も成し遂げられなかったオールスター出場を果たし、現代版「アメリカンドリーム」を体現してみせた。しかし昨年こそ、岡島が見せる独特の変則投法にメジャーの強打者たちも慣れていなかったが、今季は対策十分で立ち向かってくるはず。昨年の活躍がフロックと言われないためには、「ソフォモア(2年目の)ジンクス」とは無縁でありたい。まずは新球「ドキドキ」ボールの出来に注目だ。
「松坂&岡島世代」がカギを握るワールドシリーズ連覇
ジャマール 「1問目はこんなところでいいかな...えーと、次の質問は『レッドソックスの、2008年シーズンに臨む戦力について分析せよ』か。うーん、難しいな。『昨年とほぼ同じで充実しているだろう』、とだけ書いちゃおうかな」
そんな大雑把な解答では、合格点をもらうことは難しい。確かに今年のレッドソックスも、昨年と同様充実したチーム力を誇ってはいるが、もう少し詳細に分析する必要があるだろう。
まずは松坂以外の先発陣だが、やや不安を残す開幕となりそうだ。大ベテランのカート・シリング投手は肩の故障のため、すでに開幕スタートは絶望。前半戦でのピッチングも危ぶまれている。また昨季20勝をマークしたエースのジョシュ・ベケット投手も、腰痛を訴えてオープン戦での登板を回避するアクシデントに見舞われた。ポストシーズンでも圧倒的な存在感を示したベケットの故障は、指揮官のテリー・フランコーナ監督にとっても気がかりなところだ。このベケットは1980年生まれの現在27歳、またクローザーのパぺルボンも同じく27歳と、いわば米国版の「松坂世代」にあたる。松坂を含めた3人が、シーズンを通じてフル回転しないことには、ワールドシリーズ連覇は見えてこない。
一方の打撃陣だが、破壊力十分のマニー・ラミレス左翼手、指名打者デビッド・オティースの主砲コンビが今年も健在だ。どんな好投手でも抑え込むことが難しい二人だが、問題はこの2人が不調、あるいは故障で離脱となったとき、誰が打線を支えるのかということだろう。昨年はマイク・ローウェル三塁手やケビン・ユーキリスが一塁手が大当たり。またルーキーのジャコビー・エルスベリー外野手なども、機動力を生かして相手投手をかき回した。
だが当コラムの注目は、今年33歳を迎えるJ.D.ドルー外野手だ。アトランタ・ブレーブス時代の2004年には打率.305、31本塁打の活躍を見せたドルーだったが、レッドソックス加入1年目の昨季は.270、11本塁打と不本意な成績に終わり、ボストンのファンをがっかりさせた。ドルーが本来の調子を取り戻せば、打線の厚みがさらに増すだけに、今年こそは巻き返しを図っていきたいところだ。このドルーとオティース、またフリオ・ルーゴ遊撃手らは、1975年生まれで岡島と同級生にあたる。「岡島世代」の打棒が爆発すれば、「オキ」も安心してマウンドに上がることができるだろう。
日本での開幕は吉か凶か?
エリカ 「レッドソックスは今年も強そうね…。そして第3問は、『レッドソックスは今年、日本でシーズンの開幕を迎える。これがペナントレースにどのような影響を及ぼすか説明せよ』ですって? これは予想外の問題だわ。うーん、難しいわね」
レッドソックスは3月25、26の両日、オークランド・アスレチックスを相手に東京ドームで開幕戦を戦うことになっている。前年度ワールドチャンピオンとしての来日、松坂・岡島にとってはまさに凱旋登板だ。特に岡島は、同球場をホームとする読売ジャイアンツでプロ野球人生をスタートさせただけに、感無量のマウンドとなることだろう。一方の松坂は、夫人の出産が同時期に予定されているため、チームより遅れての日本帰国が予想される。母国でアスレチックス相手に白星をマークし、メジャー2年目のシーズンを幸先良くスタートさせていきたい。
ところで、日本で初めてのメジャー開幕戦は、2000年のニューヨーク・メッツ対シカゴ・カブス戦だった。そして2004年には、松井秀喜外野手を擁するニューヨーク・ヤンキースが来日し、タンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)と対戦している。2000年のメッツはナ・リーグ優勝を果たしたものの、ワールドシリーズではヤンキースとの「サブウェイシリーズ」に敗れた。またヤンキースは2004年、ア・リーグ・チャンピオンシップシリーズでまず3連勝するも、その後レッドソックスに悪夢の4連敗を喫して敗退となった。
ヤンキースの歴史的敗北が日本で開幕戦を行った疲れが原因だとは言えない。だが、太平洋を超えて日本で試合を行い、またアメリカに戻って「2度目の開幕」を迎えるという過酷なスケジュールは、長距離移動には慣れっこのメジャーリーガーにとってもタフなものとなる。ここで調子を崩さず、開幕ダッシュをかけることができるかどうか、レッドソックスにとっては序盤の出来がシーズンの行方を左右しそうである。
ジャマール 「ようし、できたぞ! これで中間試験はすべて終了、明日からスプリングブレイク(春休み)だ! フロリダで行われているオープン戦の見学に行くぞ」
ハンソン助教授 「ジャマール、もしテストの成績が悪ければ、君には追加のレポートを課すことになるからそのつもりでいたまえよ」
ジャマール 「ええ、マジっすか! こりゃキャンプ地でも勉強することになりそうだな」
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メジャーリーグ コラム 日本人メジャーリーガー応援宣言!

凱旋登板で大注目の松坂&岡島、2年目のジンクスは?
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