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メジャーリーグ コラム 日本人メジャーリーガー応援宣言!

開幕後の日本人を勝手に採点、トップ評価は誰?

ISM

4番を任されるなど、開幕から好調をキープする松井秀。5月もこの調子を持続できるだろうか。(写真提供:AP Images)

4番を任されるなど、開幕から好調をキープする松井秀。5月もこの調子を持続できるだろうか。(写真提供:AP Images)

 日本人メジャーリーガーの活躍を応援し、メジャーをさらに楽しむためのコラム「日本人メジャーリーガー応援宣言!」。第8回は、4月の不振からようやく脱しつつあるイチロー外野手(シアトル・マリナーズ)をはじめ、日本人選手たちの開幕1か月あまりを評価してみることにしよう。

4月は苦戦も5月は快調のイチロー、4番の重責果たす松井秀

 メジャーリーグについて、学術的な研究活動を行っている「ベースボール・カレッジ」では、2008年度の授業が行われている。開幕から1か月が経過した時点で、もっとも高い評価を得るのは誰だろうか。

タイトル教授「諸君、日本では『ゴールデンウィーク』と呼ばれる大型連休が終わった。連休中は、多くの野球ファンがアメリカへやってきて、メジャーの試合を観戦していたようだな」

ハンソン助教授「私は、ヤンキー・スタジアムで2日から行われたニューヨーク・ヤンキース対シアトル・マリナーズの3連戦を、現地で観戦して参りました。イチロー、ジョー(城島健司捕手)にゴジラ(松井秀喜外野手)といったスターたちが今年もプレーしましたから、球場には多くの日本人ファンが詰めかけておりましたね」

 イチローと松井秀、日本を代表する2大スターの対戦は、今年ですでに6年目を迎えた。松井がメジャーデビューを果たした2003年には、2人の写真をプリントした特製のTシャツが球場で発売されたりしていたが、そのようなお祭りムードは、年々なくなってきているのも確か。だがそれは、2人が両球団を代表するスター選手としてすでに定着したことを意味している。

 松井はヤンキースの中軸として、今年もシュアなバッティングを披露し続けている。本来の4番であるアレックス・ロドリゲス三塁手や、ホーヘイ・ポサーダ捕手が故障により相次いで離脱。またジェイソン・ジアンビー一塁手やロビンソン・カノー二塁手らは、開幕から極度のスランプに苦しめられ続けている。そんな中、松井は自己最長の14試合連続安打を記録。打率.324、4本塁打、17打点(現地5月4日時点、以下同)と、合格点の成績を挙げている。ただ、満塁の場面で打席を迎えた時の今季成績が、5打数ノーヒット、1打点。得点圏打率も.296と、やや物足りない数字が残っている。『チャンスに強いゴジラ』のイメージを取り戻した時が、松井にとっては本当の意味で満点評価を得る時であろう。

タイトル教授「なるほど。では、ゴジラには『Aマイナス』の評価を与えることにしようか。一方のイチローはどうかね」

 イチローは、4月の月間打率が.252と、今年はかなりのスロースタートだった。しかし、得意の5月に入ってからは俄然復調。1日のクリーブランド・インディアンス戦では3安打と「猛打賞」の活躍で、日米通算2903安打をマーク。かつての名捕手、野村克也氏(現東北楽天ゴールデンイーグルス監督)の記録を上回った。これで火が付いたイチローは、ニューヨークへ乗り込んでからエンジン全開。2日のヤンキース戦ではヒット2本に加えて、3盗塁の荒稼ぎを見せたのだ。この日、ヤンキース戦を放送する地元ケーブルTV局『YESネットワーク』では、1994年のア・リーグ首位打者を獲得したポール・オニール氏が「イチローは、カウントがツーストライクになっても決して恐れない。それはバッターとして成功するための条件なんだ」とコメントしていた。実際にヤンキース戦では、イチローはたびたびツーストライクからの快打を連発。3日のゲームでも、マイク・ムシーナ投手にカウント2−1と追い込まれながらも、変化球を巧みにとらえてセンター前へはじき返し、同点タイムリーを記録している。オニール氏のコメントを自ら証明して見せた、というところだろう。

タイトル教授「なるほど、イチローは今年もイチローであり続けている、というわけだな。ただ、4月の成績は彼にとっては悪すぎたということも言えるな。彼のようなスーパースターには、要求される水準が高くなってしまうのも当然のことだ。ここは厳しく『Bマイナス』の成績を与えることにしておこうか」

 また城島だが、こちらは打撃不振に苦しんでスタメンから外れるなど、かなり苦しいスタートとなっている。4月25日にはマリナーズとの契約を延長。3年契約を結んで2011年までシアトルでプレーすることを決めた。だが、このような調子が今後も続くようでは、首脳陣からの信頼を失うことにもなりかねない。今後の奮起を促すためにも、城島には『Cマイナス』の評価を下さざるをえない。日本を代表するキャッチャーとして、一日も早い完全復活が待たれるところだ。

悔しいセーブ失敗の斎藤、小林はインディアンスの「守護神」になれるか

タイトル教授「さて、野手の次は投手陣の評価に行こうか。今回は特にリリーフ陣について見てみたいと思う」

マイケル(大学院生)「私が気になるのはサイトー(斎藤隆、ロサンゼルス・ドジャース)ですね。過去2年は完ぺきなクローザーぶりでしたが、今年は少し危うい場面も見受けられます」

トミー(学生)「サイトーの場合、同僚のクロダ(黒田博樹投手)の白星をたびたび帳消しにしているのがつらいよね。日本人リレーで勝利とセーブってのを期待していたんだけどな」

 確かに斎藤にとっては、悔しいリリーフ失敗の続いたシーズン序盤戦だった。14日のピッツバーグ・パイレーツ戦で逆転アーチを浴びて負け投手となり、先発で好投していた黒田の白星を帳消しにした斎藤は、25日のコロラド・ロッキーズ戦でも今季2度目のセーブ失敗。ここでも再び、黒田の2勝目をフイにしてしまった。チームはサヨナラ勝ちしたから良かったようなものの、斎藤の苦悩が完全に消えることはなかっただろう。それでも、フロリダ・マーリンズ相手に2セーブを挙げるなど、少しずつ調子を上げて来ているのも事実だ。一時は不振だったドジャースも8連勝、ナ・リーグ西地区の首位を快走するアリゾナ・ダイヤモンドバックスに迫ろうとしている。5月5日からは、ポストシーズンでの対戦も予想されるニューヨーク・メッツと3連戦を行い、その後は松井稼頭央二塁手が在籍するヒューストン・アストロズとの対戦が控えている。斎藤の安定したピッチングで、チームを再び連勝街道へ乗せていきたい。

タイトル教授「サイトーが安定した守護神として君臨しないことには、ドジャースのリーグ優勝はありえないからな。期待値込みで『B』評価を与えることにしよう」

ハンソン助教授「次に、コバマサ(小林雅英投手、クリーブランド・インディアンス)を見てみましょう。マサは、4月26日のヤンキース戦でうれしいメジャー初勝利をマークしております」

 ヤンキース打線を2回無失点に抑え込んで、初白星をゲットした小林。月が変わって5月1日のシアトル・マリナーズ戦では、同点の場面で救援登板を果たした。ここでは勝ち越し本塁打を浴びる苦しい投球内容だったが、その裏に味方が逆転サヨナラ勝ちを収めたため、ラッキーな今季2勝目が転がり込んできた。また、5月3日からのカンザスシティ・ロイヤルズ戦でも2試合に登板し、まずまずの投球を見せている。強豪揃いのア・リーグ中地区にあって、現在地区4位と低迷しているインディアンス。主砲の指名打者トラビス・ハフナーが不振にあえいでいるのも痛いが、守護神のジョー・ボロウスキー投手が故障者リスト入りするなど、リリーフ陣も決して万全とはいえない。そこで注目されるのが、リリーフとして経験豊かな小林である。メジャーリーグの公式サイトでは、小林の落ち着いたマウンド度胸に注目しているインディンスの指揮官、エリック・ウェッジ監督のコメントが掲載されていた。メジャーでは「ルーキー」でも、日本では通算227セーブをマークしているベテランに対して、期待が高まるのは当然のことなのだ。

タイトル教授「シーズン後半戦には、クローザーに昇格したコバヤシを見る場面もありそうだな。彼には『Aマイナス』の評価を与えることにしようか」

マイケル「なお、コバヤシとともに千葉ロッテマリーンズで“YFK”と呼ばれる強力なリリーフ陣を形成していた、カンザスシティ・ロイヤルズの藪田安彦投手ですが、どうもピリッとしない内容のピッチングが続いております」

ハンソン助教授「防御率も8.31か…。野茂英雄投手はすでに解雇されたことですし、日本人投手の不振はエリック・ヒルマン監督にとっても『シンジラレナーイ』誤算でしょうね」

ジャマール(学生)「この成績では、ヤブタにいい成績を与えることはできないな! そうですよね教授」

タイトル教授「ジャマール、今のままでは君にも良い成績をやることはできなさそうだよ! ファイナル・イグザム(期末試験)も近づいていることだし、しっかり勉強したまえ」

ジャマール「ひええ、これは困ったな! みんな、また僕を助けてくれよ!」

 なお松坂大輔投手や岡島秀樹投手(ボストン・レッドソックス)、福留孝介外野手(シカゴ・カブス)などの序盤戦査定については、また次回の当コラムで行うことにしよう。

2008年5月6日 12時43分 ISM

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