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ラグビー 今泉清コラム「スーパーアタックル」

【第8回】これからは「ウイニング・カルチャー」を持ったチームが勝利をつかむ!

次節の注目はホーム・神戸で「打倒東芝」に燃える神戸製鋼。世代交代の進む中で「ウイニング・カルチャー」を発揮できるか (C)スポーツエンターテイメントアソシエイツ

次節の注目はホーム・神戸で「打倒東芝」に燃える神戸製鋼。世代交代の進む中で「ウイニング・カルチャー」を発揮できるか (C)スポーツエンターテイメントアソシエイツ

トップリーグは、第8節から約1ヶ月のインターバルが明けて、後半戦がはじまった。この休みの期間を上手く利用できたチームが、後半戦でいい結果を得ることができる。
例えば、前半戦において怪我をした選手の復帰。この期間を利用して、連戦の疲れを取って、リフレッシュさせることなどに利用できる。チームとしても、前半戦に出来なかったことを修正して、さらなる上のステージを目指してチームを再構築できる。これが、休み明けに成績が伸びるチームが出てくる大きな理由の一つだ。
それ以外では、それぞれのチームにテーマがある。現状において、できていることとできないことを明確にして「強み」と「弱み」に分け、問題点を分析して課題として練習に取り入れ、修正していくことがチームにとっていちばん大事なことだ。これが約1ヶ月の休みの期間に上手く予定を組んで、予定通りにいったチームが、後半戦にラストスパートをかけられる。

12/9(土)・10(日)に行われた第9節で、私にとって大変興味の持てる注目カードがあった。第8節で福岡サニックスに負けたNECが地元の千葉にヤマハ発動機を迎えての一戦である。
戦前から激しい試合が予想された。なにしろ、ヤマハ発動機は現在上位のチームである東芝・サントリー・トヨタ自動車に黒星をつけさせた唯一のチームであるし、NECにとっては負けることを予想していなかった対戦カードが福岡サニックス戦だった。その試合を、接戦の末に最後まで自分たちがゲームをコントロールできないまま終了してしまった。それだけに、対ヤマハ発動機戦に再起をかける意気込みが違う。
この試合は、戦前の予想通りすごい試合だった。お互いにボール際の接点は厳しい当たりを見せていた。お互いに一進一退を続けて、最後が劇的だった。後半の後半にヤマハ発動機ゴール前で、NECボールのラインアウト。当然、NECはモールを作って、猛烈にドライブしてヤマハ発動機ゴールに迫る。ヤマハ発動機も必死に耐えて、モールを回して阻止しようとしたときに、モールからNECのフランカー安田がトライ。時間はロスタイムを過ぎて41分、これでなんと34-34の同点に追いついた。そして、ゴールを決めれば勝ち越しの場面。キッカーは安藤。注目のキックは、無事に成功。36-34。その後に2~3プレーあったが、激戦を制したのは、NECだった。

お互いのチーム力に差はない。どれだけ試合に勝ちたいか。チャンスを確実に点に繋げることができる集中力と爆発力だけの差だ。
最近のトップリーグは、上位と下位の実力差がなくなってきたとよく言われる。日本ラグビーの全体のレベルが向上して素晴らしいことだ。当然、各チームのレベルが年々上がってきているからなのだが、ある程度、チーム力の差がなくなると、どのチームが「ウイニング・カルチャー」を持っているのかということが問題になる。
この「ウイニング・カルチャー」は、解釈によって異なるが、私が用いる場合は、勝ち方を知っているということである。ここの部分が肝心な肝なのだが、「ウイニング・カルチャー」は、トップレベルの試合をたくさん経験して色々な勝ち負けを経験することで、あの時に違うプレーを選択していたら…とか、あそこであのプレーを選択したから勝てたのだ…とか、試合を通して経験した「たら」「れば」の話をして、次回は必ず成功させよう、試してみようから生まれ、実際に試合で成功した事例をたくさん身につけること。つまり実戦でしか身に付かないラグビーの知識なのだ。いわゆる経験知だとか、個人の持っている暗黙知をチーム力に取り込み、チーム全体が勝ち方を知る。それがチームの形式知になっている状態を、私は「ウイニング・カルチャー」と定義している。

トヨタ自動車に注目してみると、興味深い。第8節で72点という大量得点で大勝してしまい。点が取れることを体で覚えてしまうと、試合中にボールを持った選手が相手ディフェンス・ラインを突破しても、どうせトライだから、またトライだからということで、サポートに走るのを途中で止めてしまう傾向が生まれる。体を動かす前に、プレーを見てしまう状態だ。勝つためには、仕事をして、完了して、さらにもうひと仕事しなければならないので、リアクションが重要になる。トヨタ自動車は、第9節のサントリー戦で、サポートプレーヤーである2人目、3人目が早く到着していれば,もっとサントリーを崩すことが出来たのに、それが少し遅れる。一瞬だが、次のプレーへの反応が遅れて見てしまう。これがトヨタ自動車が自分たちのテンポを作り出せなかった要因の一つであったように思う。

これからのトップリーグは、この「ウイニング・カルチャー」をいかにしてチームの形式知にしてチームに取り込んでいくかが大きな課題になり、それを上手く取り込むことができたチームが、最終的に上位に入ってくるのだろう。
そのような見方で、これから各チームに注目していきたい。

第10節の注目カードは、
・神戸製鋼vs東芝 12/15(金)19:00~@兵庫県・神戸ウ
・NECvsサントリー 12/16(土)14:00~@東京都・秩父宮
の2試合である。
最近、調子を上げてきた神戸製鋼が「匠集団復活」で、東芝とどのような駆け引きで勝負するのか楽しみだ。
NECとサントリーは、お互いに前節で接戦を勝ち取ったチーム同士。攻守にバランスがとれてきたサントリーと、激しいディフェンスからチャンスに変えて自分たちのテンポを作りたいNEC。やはり攻めのサントリー、守りのNECの構図になるか。これも楽しみな試合だ。

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第7節 スケジュール・結果

11/29(土) 13:00 @ ヤマハ

11/29(土) 14:00 @ 秩父宮

11/29(土) 14:00 @コカ・ウエスト

11/30(日) 12:00 @ かきどまり

11/30(日) 13:00 @ 長良川

11/30(日) 13:00 @ 桃太郎

11/30(日) 14:00 @ かきどまり

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