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ラグビー 菊地紀満コラム「ニューフェイス」

【今村雄太/神戸製鋼】ジャパンが誇る才能。伝家の宝刀のカットアウト

(C)神戸製鋼コベルコスティーラーズ

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今村雄太/神戸製鋼コベルコスティーラーズ/CTB
1984年10月31日生(23歳) 178cm/90kg

もはや説明の必要はないだろう。ジョン・カーワン率いるジャパンにおいて不動のアウトサイドCTBが今村雄太だ。今季トップリーグでも開幕からスターターに起用され、名門・神戸製鋼復活の鍵を握る存在となっている。もちろん今季加入したニューフェースであり、新人賞の資格があるし、ここまで5トライを挙げ結果も残している。が、ジャパンでの活躍が印象にあるためか、どうしても今村がルーキーとは思えない。それほど存在感は大きい。

われわれラグビー関係者は三重県・四日市農芸高校の下村監督に感謝しなくてはならない。高校入学まで楕円球とは縁がなかったというこれほどの才能を、ラグビーに導いてくれたのだから。とにかく高校時代からそのプレーはズバ抜けていた。178 cmと上背はそれほどでもないが、とにかくすごいパワーだった。今村が3年時の同校は今村のほかにも日本代表クラスの選手が数名いたが、彼らがラインアウトに並び、モールを組んでトライを奪うというシーンもあったほど。もちろんスピードもケタはずれなのだから一度見たら忘れられないほどインパクトがあった。

卒業後の進路は早稲田大学。清宮監督(現サントリーサンゴリアス監督)との4年間は濃密であったが、転機となったのはWTBからCTBへのコンバートだろう。スピードとパワーには長けていたが、パスやキックのスキルは決して高くなかった今村。それが今ではパスの速さと長さにおいてはトップリーグでも目立つほどになっている。要するに意外と(失礼!)器用なのだ。

ライブで観戦していただくとよくわかるのだが、今村のランニングは「ギアが上がる」瞬間がはっきりとわかるのが特徴だ。間合いのあるところで、少しでも目前にギャップを見つけるとその瞬間にグンと加速される。特に見ていただきたいのが伝家の宝刀とまで言われるようになったカットアウトだ。ボールをもらって対面するディフェンダーの外側(つまりWTB側)へズレながら一気に抜き去るテクニックは随一。まず止められないだろう。ワールドカップでもフィジー、ウェールズなど強豪に対しても十分に通用しており、ジャパンにとってはかけがえのない財産となった。
早稲田大学在学中に選ばれたジャパンもワールドカップを経てキャップは2ケタになった。もう誰から見ても今村は中心的な存在であり、これからはジャパンを牽引する側に回ってもらわねばならない。プレーはド派手だが、人柄は寡黙で実直で誠実。ひたむきに練習に取り組む努力家である。多くを語らなくともその背中で、プレーでジャパンを引っ張る…そんなリーダーがいてもいいと思うし、今村にはぜひ務めてもらいたいと思う。

以上

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